​祈り雲が大切にする三つのこと~その弐~

​職人のかたち

 【文化に根差したかたち】
では伝統的なモチーフを扱う職人のデザインとはどんなものなのでしょう?
簡単に言うと、日本に生まれ育った人が、いいね、と思える形を目指してデザインするのが職人のデザインの特徴です。
私たち日本人は幼い時から初詣や七五三、また遠足や旅行では神社やお寺を訪れます。興味もなく意識せずとも、そこにある文化的なもの見たり雰囲気を経験しています。
共通の文化的背景を基にした中で培われていく美意識に極端な違いは生まれにくく、
雲の装飾一つとっても、日本人にとってのいい雲の形、悪い雲の形というのは大体共通するものがあると思います。
そういった日本人の深いところにある美意識に響くデザインを目指しているのが職人のデザインです。

反対に、共通の文化的背景を取り去った場合、人の好みや美意識は多種多様になります。
その多様な趣向に向けて常に新しいものを提供するのが、私たちが日常で目にする商業デザインと言われるものです。

日本という文化に属する人が思う「いい形」。それはこれ!という明確な答えはありませんが確かにある、かたちあるものへの美意識。
その感覚に届くようなデザインを雲をモチーフに、神棚という形で表現したのが祈り雲です。
同じ文化的背景といっても、その全ての人を唸らせるような物を作るのは難しいのは確かですが、
お客様の満足の声、喜びの声を頂くたびに、いいところまで来ているなという感触はあります。

 

 【生きたカタチ】
車や飛行機がなかった時代は、馬に代表されるように、乗り物と言えば「生き物」でした。
祈り雲も、そこに神様が乗っているというイメージですので、その雲には生命感がなくてはいけません。
祈り雲のフォルムが動きを持っているのはそのためです。
車や飛行機のように無機質ではなく、生きたもの、生きたカタチであることを大切にしています。


乗り物が生きていると、そこに鎮座するお神札にも、不思議と生命感あるように見えるのは気のせいかもしれませんが、祈り雲に祀ったお神札と本棚などに立てかけたお神札を見比べると、その雰囲気には明らかな違いがあります。

神棚に向かって人は手を合わせます。祈りの対象にはやはり生命感があった方がいいと思っています。
その手でひとつひとつ命を注ぎ込む、そんな感覚で職人は一つ一つ丁寧に祈り雲を彫っています。

 

​ここまで読んで頂きありがとうございました。

​もっと祈り雲の制作について知りたい方は、下の記事も、合わせてご覧ください。

祈り雲が大切にする三つのこと

~その壱~​

見えないところに​

こだわる

祈り雲が大切にする三つのこと

~その参~​

​至高の良材を使う

神社に行くと、いたるところに雲の彫刻を見つけることができます。
立体的な彫刻であったり、筋状に彫りこまれた線が雲を意味していたり。
雲を主役にして彫られることはありませんが、古来から「雲」は人々の文化を豊かに装飾するなくてはならないモチーフでした。

雲を表現する要素はとてもシンプルです。
雲の流れを表す曲線と、その末端に巻く渦、それだけです。
職人たちは昔からこのシンプルな要素をあらゆる状況に合わせて形や構成を考え、数えきれないほどの形にしてきました。
時代の中で次々と生み出される雲の造形美からは、尽きることのない人の創造性を感じます。

そのようにして古来より職人たちは雲をデザインしてきました。
木彫刻の世界では、デザイナーといったデザインを専門とする職業があるわけではなく、
職人自らがデザインをして彫刻します。

 

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